作詞・作曲 西川 光
愛をさがす夢人(ユメヒト)は 幾千年の孤独
終わりのないマホロバを その胸に抱く
いつか出会う その日まで
いつかかなう その時まで
この世に生まれたさだめの糸を
手繰り寄せても ほどけて
縺れながら からまる
浮き世の習いを
じっとじっと 噛みしめるだけ
愛にならない夢たち
いつも彷徨うだけ
たどり着けぬ悲しみを
風に託して 歌ってる
いつも遠くて 遠く 遠くて
夢に病む旅人は 幽玄夢幻の翁(おきな)
数え切れない歳月を その笑みに隠す
憎みながら 求めていた
愛しながら 遠ざかる
波の間(ま)に揺れてる小舟のように
流れに身をまかせて
時の静寂(しじま)に
消えてゆく無常を
そっとそっと 抱きしめるだけ
瞼に浮かぶ 面影(おもかげ)は
いつも優しいのに 旅の果て
見上げている空は蒼く はてなくて
いつも遠くて 遠く 遠くて
愛にならない夢たち
いつも彷徨うだけ
たどり着けぬ悲しみを
風に託して 歌ってる
いつも遠くて 遠く 遠くて
遠く 遠くて....
(c)Hikaru Nishikawa Printed in Japan
作品紹介
どんな作品でもこれでいいというものはありません。どれも旅の途上。これは、2年もなにも思い浮かばなくて、フリーズしていたもの。それに挑めたというのが大きいです。もがきながらも、少しは前進しているのでしょう。
これは、いい歌を目指す人の見果てぬ夢を描いたもの。永遠の愛をさがす人の思いでもあります。マホロバは心の中にしかないのですから。
けれども、やむにやまれぬ心。大河ドラマの吉田松陰を見て、ああ、これだ。世の中を動かすものは、このやむにやまれぬ思いだと思いました。イカれている。それでいい。夢中になると、我を忘れる。それくらいでないと、いいものは作れないのだと。熱き思いですね。くじけぬ強い魂です。
それが人を前進させる。歌は思い。いいものが作りたい。寝ても覚めても、その思いは消えることはない。イカれているんだけど、それでいいのです。
そういう思いが常に時代を変えてゆく。動かしていくのだから。これは、これでいったん完成とします。あとは、実際に歌にするとき、言葉の響きを吟味して、修正があれば、修正していく。また、あるとき、こっちのほうがいいと思えば、修正する。それはどんな歌でも変わらない。
抒情歌の傑作「知床旅情」も最初、歌詞が別なものでした。それを書き直して、素晴らしい歌が生まれました。なにか違うと感じたら、迷わず、なおす。
たとえば、最初のものがよかったとしても、それはそれです。
これでいいんだというのものは、どこにもない。追いかけるしか道はないのです。いいものを目指すことがどんなに苦しい道なのか。
それを承知で目指す。中島みゆきさんの「ファイト」魂のメッセージですよね。いいものを作ることがどんなに大変なことか。彼女は知っているし、それでも戦っているのです。とんがっています。それが彼女の魅力なんです。
たいしたことができなくても、その思いを少しでも受け継ぐ。
だから、いいものを、たとえそれがマホロバでも追いかけるしかないのです。
それが真の思いだからです。
うわべに生きる人はうわべの世界にしか描けない。それだけです。
歌詞でも、ほんとうにいいものを望んだら、信じられない苦痛に耐えなければならない。地獄なんです。
どれだけお前はいいものが作りたいと願っているのか。
音楽の神様は、そういっているのです。
ビビりますよね。それでも、タイトロープでも、かわらぬ思いなら、いくしかない。
たくさんの屍が転がる道なき道を、自分たちの力で切り開いて、まだ見ぬ世界を目指して。
だから、負けないんですよ。
絶対、あきらめない。
志なんです。
中村 香織コメント(0)
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