/

オブザーバー

ガラスの向こうのスクランブル
誰もが主役の顔をして歩く
私はそれをただ数えている
名前のつかない傍観者

冷めきったコーヒーに映る青空
飛び込む勇気もないくせにさ
時計の針だけがやけに急ぐから
置いていかれるような錯覚の渦

正解を欲しがって間違えて
躊躇なく傷を見せ合っている
その輪の中には入れないまま
私は今日もここで見ている

泣いたり笑ったりを繰り返して
味気ない事ばかりが腑に落ちて
声を上げる事さえも出来なくて
だけれどまだ終わりたくはないんだ

画面の向こうのタイムライン
誰もが幸せの嘘を重ねる
私はそれをただ数えている
答えを持たない傍観者

乾いた心に刺さる話
飛び出す覚悟もないくせにさ
季節の流れだけやけに早いから
置いていかれるような焦燥の渦

特別を欲しがって空回って
躊躇なく個性を演じている
その渦の中には混ざれないまま
私は今日もここで怯えている

嘘吐いたり信じたりを繰り返して
退屈な日々ばかりが過ぎ去って
変われない自分さえ許せなくて
だけれどまだ手を伸ばしていたいんだ

いつまでここにいるつもりなんだ
ガラスを叩き割って外に飛び出す

傷付くことも間違えることも
本当に 本当に羨ましかったんだ

泣いたり笑ったりを繰り返して
味気ない事ばかりが腑に落ちて
声を上げる事さえも出来なくて
だけれどまだ終わりたくはないんだ

だからそう今 手を伸ばすんだ

ここからまた始まっていくんだ

コメント(0)

コメントを読むには、ログインが必要です。

作者の他の作品

邪推

画面をスクロール くだらないロール
誰もが名探偵気取りのパトロール
裏の裏を読みすぎて狂う脳内
こっちは端から興味ないな

若松 裕美子

White flower

週末の午後 模様替えの途中
本棚の隙間 埃を払う
あの店で 何気なく買った
ガラスの小瓶が やけに目立つ

若松 裕美子

The apex

上を目指せと誰かが言う
万物の頂を奪い合い
誰しも自分が特別だと
信じて疑わない滑稽なゲーム

若松 裕美子