/

夏休み

どこまでも続くあの空は
きっと僕の事をからかっているんだろう

ひまわり畑を縫うような小径
その途中に在る何も来ないバス停

僕は今日もそこを通って
向かう秘密基地

真夏の影に追いかけられる日々
いつか追い越そうと思ったら急に降り出す雨
考えている場合じゃない 逃げなくちゃ

泥濘んだ道を駆けていく
そろそろバス停が在るからそこに逃げよう

物陰から気配を感じたんだ
普段は待つ人なんて居なかったのに

切らした息さえも忘れて
胸が高鳴った

麦わら帽子に白のワンピース姿
その視線に自然と触れ合って魔法をかけられた
今まで感じた事の無い世界を見た

さっきまでの僕は
誰かの使い古した絵や本でしか
全然知り得なかったけど
場違いな空気に思わず逃げてしまった

明日もまた会えるだろうか
使いもしないあのバス停に向かう
心を弾ませながら

どこまでも続くあの空は
きっと僕の事をからかっているんだろう

不愉快に笑う太陽の下で
ひまわり畑を縫うような小径を

僕は今日もときめきながら
向かう君の元へ

真夏の影に追いかけられる日々
いつか追い越そうと思ったらもう暮れ泥む世界
黄昏れている場合じゃない 行かなくちゃ

「また明日も会おう」と
約束を交わして

コメント(0)

コメントを読むには、ログインが必要です。

作者の他の作品

すやすや

Les nuits blanches comptent les étoiles
Si cela ne fonctionne pas, penser à quelqu’un d’autre
Je suis encore un enfant et je n'aime personne
Bref, je ne connais rien à l’amour

斉藤 明美

ノミの心臓

気分は魂の抜け殻
目の前に在る正しさを簡潔に
あらゆる熱を織り交ぜて
貴方は話しただけ

斉藤 明美

瑠璃蝶々

私は闇に戦ぐ瑠璃蝶々
蜜は罪の味で醜さは美しさ
こんなにも心が汚れてしまった
気付いたら瓦礫が肩まで埋もれていた

斉藤 明美