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春宵翳りて

去りし日からの名残で
茜射す石畳を歩く
両手には少しばかりの花束
斜陽の影に祈り手向けて

こんなにも晴れているのに
私の空だけ泣いている
双つの窓の夜露 拭う手は小さくて

雁字搦めの心に
したたかな優しさが染み入る
複雑に揺れる想いの随に
脆い私は漂うばかり

こんなにも晴れているのに
私の空だけ泣いている
扉を穿つ光 触れた手は温かい

去りし日からの名残で
茜射す石畳を歩く
この手には違う人との約束
二人の影が踊る黄昏

こんなにも晴れているのに
私の空だけ泣いている
双つの窓の夜露 拭う手は小さいけれど

こんなにも傍に居るのに
私の空だけ泣いている
双つの窓の夜露 拭う手は

誰かの優しさ

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