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飛走

年なのか歩くが遅くなり
今では既定の時間よりも
大分早く家を出なきゃ

信号で立ち止まったとしても
電車が遅れていたとしても
決して慌てたくなくて

どんなときも走ることはなく
そういえばここ5年は
一度も走っていないのかも…?
足の運び方はこう
忘れてしまって…

それなのに服装はスポーティ
ロンTにマウンテンパーカー
スポーツシューズも履いてさ

白地に黒いラインがあって
躍動しているピューマ
履いていればいかにも速そう
でも一番縁遠い
存在なんだな…

いつだっけ僕の
祖父は言っていた
“とびっくら” が速くて
マラソンの選手だったと
“とびっくら” なんて
なんだか
飛んでいるみたいで
とても軽快で
粋に感じて

躍動していない僕だって
ほら “速さの遺伝子” を
少しは引き継いでいるのかな
試しにちょっと駅まで
思い出せるかな…

思い出せるかな

作品紹介

本当にずっと走っていません…。

高橋 亮介

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