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INTERVIEWS:或る詩人の手記

ご存知の通り仁さんには
もう会うことはできませんが
ここで彼の “最後の手記” を皆様に
 
「 こんなに厳しい冬はないと
ベッドに横になって思う
ここに住みついてしばらくはよかったが

しだいに食べ物はなくなって
近くの山や川に行っても
何もとれず衰弱し
もう動けなくなってしまった

命の灯が消える
その時がいま迫っている
誰もがこんな死に方は
最悪だと思うだろうが…
“先人たち” はどうだっただろう…?

どんなに悲惨な最期でも
潔くそれを受け入れて
旅立つ人もいたのではないだろうか

そういった気持ちで逝く人は
一体どのような生き方を
してきたというのだろう
おそらくそこが重要なのか

そう考えると私の
好きなことを貫いてきた
人生はどうだったのか
“誰にも知られず朽ち果てる”
それを良しとし眠りにつけるか…?

今際の際でも
簡単に答えは出ない…
ただ “吟遊詩人” なだけに
死んだ後塵になって
風に漂って
懐かしい人たちに
会いに行けたら
その人たちが
笑顔で過ごす姿を
目の当たりにできたら…

そうなれるのなら私は
闇が来るのをじっと待とう
しかし一つ懸念がある
窓が閉め切られていたなら
塵になれてもどこにも行けない…?

ならこういうことにしよう
私の死後 誰かが窓を
開けてくれたなら “幸福”
そうではなかったら “悲劇” と
さて…前者になることを願って… 」

作品紹介

インタビュー形式を取り入れた
或る詩人の「INTERVIEWS:」の4つ目、最終のパートの詞です。

「孤立死」で亡くなった仁さんの手記を紹介する
というかたちで終わらせています。
文章は手記風で書いています。

今回の「INTERVIEWS:」は
社会的に増えている孤独死、孤立死について
少し取り上げられたらいいと思いながら書いていました。

客観的に見ると悲惨な最期ですが、それを迎える本人はどうだったのでしょう…。

高橋 亮介

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