この冬「急速に老いる」という
奇病が世界中に広がる
発症すると7日以内に
必ず死に至るというのだ
“感染する”というものではなく
遺伝子の変異と呼べるような
そういう性質のもので
すべての人が同時多発的に
発症したそのときに
人類の絶滅は決定した
7日後の晴れた朝に
終わりの雪が降るまで…
時間に復讐されるように
平等に死が訪れてゆく
そんな中私は生き残った
“意識”という新しいかたちで
命をかけた研究に
果たして意味があったのだろうかと
“時代の終わり”に思う
“意識は高次元の存在”だと
そう言う学者もいたが
結局のところはもう…
皆死に絶えてしまって
今さら探求もないだろう
“会話”も“交信”もできない
今の私にできることは
ただ世界を観察することくらい
…そうだせっかく
時間に抗えたのだから
同じようなものを
見つけ出すのもいい
時間の流れの中で繁栄と
衰退を繰り返して
そんな“満ち引き”は終わることはない
“時間の潮汐”とでも
呼べる理の中で…
朝から降り出した雪は未だに
止むことなく降り積もり
街灯に照らされ光を放つ
永遠に続くように
少しだけ願ってみる…
私だけでないことを
作品紹介
1年間にわたって展開してきた「時間の潮汐」の最終章です。
1章で触れた「1つの時代の終わり」がどうして起こったのか、
意識となったこの物語の「語り手」の心情、
「時間の潮汐」とはどういうことか
など真相を明かしていきます。
第6章では、第5章で時間を超越した未来の意識ではなく、
この時代に初めて意識化した語り手の目線で書いており、
この最終章から第1章「時間の潮汐」へまたつながるようになっています。
うまくつながったか分かりませんが、
2023年も誠にありがとうございました^^
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