こじんまりした集会場には
私を含めて数人がいて
確信めいた目をしながら
例の男をじっと待っていた
すると古びた舞台に姿が
一礼して喋り始める…
「お集まりに感謝します
皆さんには新世界への
道がきっと開かれるでしょう
それでは早速本題に
心を解放するにあたり
最も大切なことは
しっかりとイメージを持つこと
それが気持ちを強くして
やがて“実現”につながります」
そしてその男は手法である
〈困難からの脱出〉といった
イメージを説明し始め…
「あなたは自分の部屋にて
お気に入りのコップにちょうど
好きな飲み物を注いでいます
しかし注いでも注いでも
飲み物は出続けてコップから
ついに溢れてしまいます
さらに部屋全体に流れて
どんどん水かさは増して
しまいにはいっぱいになります
どの扉や窓からも
脱出できずに
溺れそうなあなた
懸命にあたりを見回すと
天井に空いた穴を発見する
しかしのぞき穴ほどの
大きさのため
通り抜けることはできない
…さてそこをどうにか
通り抜けることができたら
見事成功です」
“解放された心は体に
収まらないほど自由で
どんなものにも姿を変えられ
どこでも行くことができる”
…加えて男は説明する
「やがて肉体から抜け出せたら
別の次元の住人も
認識できるようになりまして
その住人の案内で
新世界へ旅立てるのです
…不要な肉体や財産の
処理についてはご心配なく」
作品紹介
奇妙で少しゾクっとくるようなものをつくりたくて書いた詞の続きです^^
高橋 亮介コメント(0)
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