/

芭蕉が翔ぶ

人の往き来の 四百年を
めぐる 白河 関所跡
いまは影なし けもの道
しばし詠うべからず 猿(ましら)のごとく
翔ぶぞ 翔ぶぞ 芭蕉が翔ぶぞ
わび さび 超えて 東山道

西か東かまづ早苗にも風の音

風はむらさき やぶあじさいか
明神峠は夏模様
河合曾良どの 筆納め
しばし語るべからず 忍者(しのび)のごとく
翔ぶぞ 翔ぶぞ 爪立ち背伸び
みちのくの空 雲を招べ

関守の宿を水鶏(くいな)に問はうもの

北へ千里の夢橋かけて
いっそ渡ろか 竜飛まで
破れ僧衣をひるがえし
しばし念ずべからず 阿修羅のごとく
翔ぶぞ 翔ぶぞ あしたへ翔ぶぞ
旗宿山野の 鳥になれ

コメント(0)

コメントを読むには、ログインが必要です。

作者の他の作品

ひとふで書きの旅がらす

葛の葉 はたいて
ゆらして 逃げてく風か
おれも風やら 日に焼けた
ぺらっぺらの三度笠

工藤 結衣

品川やくざ

やくざが風切る界隈の
通りを若僧 引かれ者
がんじがらめの捕り縄が
さぞや無念の馬の上

工藤 結衣

兇状持ちの唄

あたまを撃つよな雷(いかずち)きいて
兇状持ちがすくむ
はたごの二階でひる酒あおる
関所破りのたびの果て

工藤 結衣