ずっと考えていたことは
この閉鎖的な街を出て
一度も振り返ったりせず
自由に生きたいということ
知らない街から
知らない街へと
まるで風が流れるように
どこをどう吹こうが
わたしの勝手でいいのだ
何も縛られずに
思うがままに進むのだ
そう決心して街を去った
“こうしなければだめだ”そして
“こうあるべきだ”ということが
わたしをいつも脅迫して
がんじがらめになっていたが
“そんなことない”と
あの旅の空は
どこまでも青く澄みわたる…
思い描いた場所が
実在したなら嬉しい
わたしの旅はまだ
始まったばかりだったが
何事も幸運に思えた
現に砂漠で
砂嵐に襲われた時も
ある“紳士”が
助けてくれた
だから
「どこをどう吹こうが
わたしの勝手で進もう
何も縛られずに
思うがままに生きるのだ
過去など一度も振り返らないで」
…だがふと気にかかる
あの優しい紳士のこと
寂しそうな顔で
砂漠を見つめる姿の
彼はどこかわたしと似ていた
彼はどこかわたしと似ていた
作品紹介
故郷をテーマにした4つの関連詞の4つ目です。
「砂嵐」で登場した2人の主人公。
その1人、「わたし」のエピソードの回となっています。
今回表現したかったのは、
「故郷はいつまでも変わらずにそこにあるわけではない」
ということです。
省みない生き方によって、忘れているうちになくしてしまうかもしれない。
そんな自分への警告になります。
「ある紳士」は故郷をなくしまったのですが、
「わたし」についても「ある紳士」のようになるような、
そんな終わり方にしています。
そういった意味で2人の生き方はつながりがあるかたちです。
「風流」は、時系列でいくと「砂嵐」の後のエピソードになります。
今年もありがとうございました^^
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