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シナジスティック・パラブル(D.P.サーター)

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作品情報

ジャンル クラシック
参加形態 単独
公開

作品紹介

アメリカの作曲家、デイヴィッド・サーター作曲の、シナジスティック・パラブル Synergistic Parable です。
1987年のオストワルド賞受賞作。

・・・ですが、他の年の同賞受賞作に比べ、ほとんど知られていません。
Youtubeで検索しても、受賞当時?に委嘱元の大学が演奏したものだけ。
日本では東海大学第一高校が、翌年1988年にコンクールの自由曲で取り上げ、カット版を全国大会で演奏しています。
作曲者がこの後に吹奏楽曲をほとんど書いていないこともあり、埋もれてしまった作品といえるかもしれません。

作曲者が自身の出版社でスコアを全部公開しているのを見つけたので、今回それを元に作りました。

曲は、たくさんの短い動機を、転調し続ける和声の上で幾重にも組み合わせて作られています。
冒頭のD-A-C-G、
第1主題でもあるE♭-E-E♭、E♭-A♭G♭E♭-
次にトランペットの和音で出てくる第2主題F#F#GADAG~
この3つを中心に、転回形、リズム変更、転調などなど。
またメロディ主題として最初のアレグロで出てくるクラリネットの4小節の主題があります。
中間部の打楽器アンサンブルからは、スネアで奏されるリズム動機が呈示され、
それが管楽器の同音・同リズムで組み合わさっていきます。

作曲者がHPで出しているノートでは、このような動機の組み合わせでの展開が、単なる組み合わせではなくより大きな展開となる、(ノートを直訳すると、「部分の合計が全体より大きくなる」)という点が「シナジスティック」というタイトルの意味であるようです。

この点、上記のコンクール出場時の邦訳である「神人協力説の寓話」は正確ではないと思われます。
(神人協力説とは、キリスト教において主の救いは神と人とが協力して初めて実現されるという教義ですが、作曲者のHPを見る限り、この曲にそのような宗教的な意味はないようです。)

さて、なぜ埋もれているのか・・・ですが、入力しながら楽譜を見た個人的な感想ですとして、「鳴らない」曲だと思います。
転調は多いながら、無調ではないにもかかわらず、半音がぶつかる場面が非常に多いのです。セブンスに当たる音を2~3オクターブ間に
連続して配置したり、メロディーを半音下からスライドさせて解決する手法を連続して使うために余響で濁ったりと・・・
入力中に何回も音を確認しては「間違ってない?」とスコアとにらめっこ。

緻密な作曲手法は受賞に値するのかもしれませんが、演奏効果はあまり高くないのかもしれません。
埋もれた理由はこの辺りにあるのかも・・・

とはいえ、貴重な受賞作なので、一度聞いてみていただけると幸いです。

作曲者によるこの曲のサイトはこちら↓
https://www.davidsartor.com/SP.html

なお、JASRAC検索でヒットしなかったため、パブリックドメインとしています。

吉田 里佳

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