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五右衛門・吉三

もしやそなたは 石川の
五右衛門どのか
娑婆と地獄は地続きなれど
七条河原で釜炒りされて
なにゆえ信濃路くんだりで
六方踏んで気どってる
伊那の谷川 見くびって
落ちりゃまたぞろ地獄だよ

こいつぁ奇遇だ 同業の
弁天小僧
男吉三が いなせをすてて
赤いべべ着て 流し目 浮世
ひたいの傷を塗りつぶし
品をつくるも 菊之助
すね毛晒して お嬢とぁ
聞いてあきれらぁ 笑わせら

相も変わらず ごてごてと
むさくるしいな
重ね草鞋にビロード褞袍(どてら)
頭ぼうぼう 百日かずら
朱鞘の大小 泣いてるぜ
キセル雁首 櫛にして
長いもみあげ 撫で上げる
芝居がかって しゃらくせえ

ここで会うたが百年目
聞かせてやろか
閻魔の使いで 善光寺さまへ
伊賀流忍びで奥殿深く
血脈(けちみゃく) ご印を盗みだす
旅は道連れ 世は地獄
地獄風呂より娑婆の風
五右衛門・吉三で参ろうか

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