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カケガエ

今まで僕らを幸せにした
「ありがとう」は
何故この瞬間だけ
とても小さくて
かけがえのないものになるのかな

今までの僕らのありったけの幸せ
子守唄を「さよなら」
に合わせて
大袈裟なほど歌えば
かけがえのないものになるのかな

君と交わした一語一句覚えて無くとも
君の傍にいて楽しかったこと
それさえ覚えていればいいのさ

悲しみに悶えた帰り道
心から分かち合えた末のあの涙
君にいつまでも傍にいて欲しい
そう願いたい程に、
さようなら

今まで僕らを強くした
些細なささくれが
いつか大きな溝となって
僕らを突き落としたあの過去は
かけがえのないものになるのかな

もう何もか見えない
悲しみの底で
君と交わしたあの馬鹿話
苛立つほど思い出せない
それすらも思い出せない

かけがえのないものになった
戯れ言さえ
これからの僕の光になるのなら
教えて欲しいもんだ

君と交わした約束の数々覚えてなくとも
君は僕の隣に確かに実在したと
それさえ確かであればいいのさ

喜びにうち震えた夜の底
心から抱き合えたときのあの笑顔
君と最期まで話がしたいと思うほどに
そう願いたい程に、
ありがとう

作品紹介

昔の親友のことを思い出して書きました

松本 太一

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