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夢はいつか本当になる

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作品情報

ジャンル フォーク
参加形態 単独
公開

作品紹介

京都駅からバスに乗り、西北に20分ほど走ったところに西院という場所がある。そこに昔、小さな喫茶店があった。
 何の変哲もない小さな喫茶店だったけど、入り口の段差にはオープン当初から木で作った1mほどのスロープがついていた。

そこの喫茶店には、盲導犬を連れた人や白い杖の人が来ることがあった。車イスの人も来ることがあった。福祉の仕事をしてる人や、医師や教師、ボランティアをしてる人も良く来る喫茶店だった。
 ハンディのある人でも、お店や、他のお客さんに気兼ねせずに、ゆっくりコーヒーを楽しみ、お店のママさんとおしゃべりして、楽しい一時を過ごせる喫茶店だった。

何も知らずにたまたま通りかかった人がコーヒーを飲みに来る。その人にとっては運悪く、その日は車イスのお客さんが1人来ていた。
お店のママさんは、注文を聞くと、ニコニコしながら、お客さんにちょっとしたお願いをした。
「初めて来て頂いたお客さんにこんなこというのも何なんだけど、ちょっとお願いがあります。良いでしょうか。」
お客さんが訳も分からず「はい」と答えると、同じようにコーヒーを飲みに来ている車イスの男性を紹介して、「私では非力で無理だから、彼のトイレ介助をお願いできないかしら。」
 車イスの人に接するのはその日が初めてだったお客さんは、四苦八苦しながら、男性のトイレ介助をした。どこにでもある普通の喫茶店だから、もちろん障害者用トイレなどという洒落た物はない。狭いトイレの中での大変な作業だった。

いつの間にかお店の常連さんになっていたそのお客さんは、カウンターに座り、初めてお店に来たときの思い出話をすることもあった。喫茶店の常連さんなら、似たような話はみな共有してるから、それで又会話が弾んだ。
喫茶アーティチョークは、そんな人達のたまり場だった。

ある時、旅行から帰ってきたママさんは僕の顔を見るなり目を輝かせながらこんな事を言った。
「長崎にな、でてこいランドという所があるねん。ハンディのある人もない人も、みんなでておいで。誰でもがそこに行くと、のんびりほっこり出来るところやねん。。
だれでもが自分を取り戻せる場所やねん、京都にもそんな場所があったらええとおもわへん、そんな場所作りたいわ!」
喫茶店のママさんは、お店に来る人来る人にそう言い続けた。
それから何年かして、いつものように喫茶店に顔を出すとママさんは目を輝かせて教えてくれた。「やっと、京都にでてこいランドが作れるめどができてん。」

僕はコーヒーを飲みながら、ママさんのうれしそうな顔を見ているとうれしくなった。
毎週のようにバザーをし、いろいろなイベントをした。たくさんの人がママさんの話に共鳴し協力した。
 大変なことがいっぱいあった。これからも大変なことがいろいろあるだろう。
 ママさんが一生懸命作りたいと言っていた理想の場所は、ママさんのいるこの喫茶店そのものだったけど、ママさんの強い思いが多くのひとを動かし、京都でてこいランドという建物として形になった。

喫茶店から出た後、「これからも大変だけど、頑張ってね」という気持ちで、この詩を書きました。
 僕も時々、ギターを担いで、でてこいランドに遊びに行きます。
 この歌は、京都でてこいランドの片隅で歌った唄をラジカセで録音した物です。

青田 幹

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