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悪月模様の曼珠沙華

悪月模様の曼珠沙華

京の町は 今日とて変はらず 関はれず
闇の淵に 咲ひたアタシ 嫉妬嫉妬 報はれなひや

どうして どうして貴方の為に 興味も無ひのに 好きでは亡ひのに 夜毎に 組みしく愛撫 救いは無ひや

嫌ひなら さ
嫌ひなら さ ねぇ
またアタシを 押し倒して

汚してよ 穢してよ ほぉら月が笑ってる

アタシが さ
アタシがさ ねぇ
闇の淵に咲ひた華だとしたら

貴方の 貴方様の 流るる血で優しく咲きたひの

京の町は今日とて 相手にされず 聞き入られず
黒ひ風車が 回って咲くの 花一匁 そうしましょ

愛して 愛して 言葉を注ひで
乾ひて枯れた 言葉に嘘は無ひの
髪を毟らなひで 乱暴しなひで
悪戯に股 開いては

許さなひで
赦さなひで さぁ
この胸を暴きたひなら

貴方の 貴方様の 冷たひ眼差しが怖ひの

殴らなひで
蹴らなひで お腹だけは
貴方様は 知らなひでしょうが

貴方の 貴方様の お子が死んでしまう

あたたかなお家を夢見てひました
貴方様がお勤め上がり お子を授かり
笑って 笑って 生きてひけると 生きてひけると

床に倒れ 見上げて 貴方様のお手が首に

「お子も動かなくなり」

嫌ひなら さ
嫌ひなら さ ねぇ
またアタシを 押し倒して

汚してよ 穢してよ ほぉら月が笑ってる

アタシが さ
アタシがさ ねぇ
闇の淵に咲ひた華だとしたら

貴方の 貴方様の 流るる血で優しく咲きたひの

幸せな 幸せな さ
人の世が送れなひのなら
もういいや もういいや
貴方様のこの手で 果てたいの

ほぉら 月が笑っていた

作品紹介

アタシはただ、貴方様の華に

津田 京助

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