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バルカンの風

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作品情報

ジャンル ワールド
参加形態 単独
公開

作品紹介

バルカン半島、欧州、ロシア、トルコと大国に囲まれた歴史的に非常に複雑な地域。民族、宗教などが複雑に絡み合っていて、ぼく達日本っ人には非常に分かりにくい。1991年から2001年まで旧ユーゴスラビアでは紛争が起きている。今時欧州で戦争、、そんな状況を思いながらちょっと作ってみました。またちょっとぼくの古い旅行記から 国境での写真、髭を生やしております。 https://www.instagram.com/p/CQ2Sq0HgoLX/

娘は芸者じゃないと怒られる(ソフィア)

ブルガリアに向かう汽車に乗った。
コンパートメント四人掛け。
ベオグラードから買い物帰りのブルガリア人と相席。
「この荷物をあなたの荷物にしてほしい」
と若い娘から頼まれた。
まあ麻薬とか変な物じゃないだろうなと推測。
「いいですよ」
気楽に返事した。
国境通過に際して旅行者はあまり詳しくチェックしなかった。
預かった大きな荷物はフリーパス。
スタンプをポンと押して終わり。
現地の人たちは、かなり厳密にチェックされた。
国境での停車時間は一時間。
ようやく動き出した。
荷物のフリーパスがよほど嬉しかったのか
「ぜひ遊びに来てください」
と誘ってくれた。
ソフィアから電話を入れた。
団地だった。
「日本からようこそ」
歓迎してくれた。
ブルガリア人はスラブ系ロシア人のようだ。
アラビアの「アラック」という焼酎のような蒸留酒をコップに四分の一ほど入れ水で割る。
アラックは透明、水を注ぐと白く濁る。
その酒と羊の肉。
社会主義国の食事。
ユースの食物は豚肉と羊の肉にジャガイモ。
家庭料理は西ヨーロッパほど美味しくない。
僕は酒が弱い。
ブルガリアの強い酒でちょっと酔いが回ってきた。
緊張がとれちょっと彼女の肩に手をかけた。
それを見た父親がびっくりして
「マイ・ドゥター・イズ・ノット・ゲイシャ!!」
「ゲッアウェイ」
もうカンカンに怒った。
かつてオスマントルコがこの辺りをすべて占領したこともあって、娘に対する想いがアラブ的だったのかな。
愛娘をどうしてくれる。
いやあ、参った。
男女関係はヨーロッパほどオープンじゃない。
彼女が近くのバス停まで送ってくれた。
はるかな道をほろ酔いでユースホステルへとことこ帰った。
酒、やばい。

世界一周貧乏旅行記「ひとりぼっちの地球街道」出版社:悠飛社より

中島 直樹

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