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Himalayas

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作品情報

ジャンル ワールド
参加形態 単独
公開

作品紹介

1973年1月ごろインドのベナレスからバスでネパールのカトマンズへ行ったが途中で崖崩れが数か所であり怖かった。帰りはちょっと奮発して飛行機でカトマンズからインドのパトナまで。飛行機は日本製の中古でちょっと汚かったが日本製を信用して大丈夫だった。その時、飛行機の窓から見た、ヒマラヤ、エベレストは非常にきれいだった。写真を数枚撮ったような、、でも、見つからなかった。 YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=p4nwIGNHGeI

ちょっと旅行記「ひとりぼっちの地球街道」出版社:悠飛社より

ネパールのスイス青年は徴兵拒否(カトマンズ)

バラナシからネパールのカトマンズへ。
バスに乗る。
徴兵拒否をしている青年と出会う。
「どこから?」
「スイスから」
「じゃあ一緒に行こう」
カトマンズに向かう。
バラナシからカトマンズまで、バスで二泊三日。
二〇:三五出発、ぎゅうぎゅう詰め。
ネパールに入ると崖崩れで道路がぐちゃぐちゃのぬかるみで大変。
ぽんこつバスで尻は痛い。
揺れること揺れること、はなはだしい凄まじさ。
途中で馬車に乗る。
ビルガンジを翌々朝の八:〇〇に出発、左側の席がいい。
絶景。
夕刻一六:〇〇ようやくカトマンズ着。
「泊まる部屋は決まっているの?」
「いや決めていない」
「じゃあ安いところを捜そう」
一泊五〇円の安宿を捜し、二人で一週間滞在することにした。
疲れ切っており、のんびりしたい。
世界一周の疲れがドッと出てきた。
半年一年と旅を続けていると、体力的にかなり疲れる。
中近東やインドは羊の肉をメインにした、現地のパンとタマネギ
をベースにした料理ばかりで、なかなか食事も進まない。
インドはカレー。
すべてがカレーの匂いで、マトンカレーをメインにサブジーという炒め物と
か、ありとあらゆる料理がカレー味。
おまけに、一泊五十円とか百円のひどい安宿ばかりを巡っているから、疲れ
方が激しい。
ゆっくりしたい。
日本人やフランス人が多かった。
フランスの退廃的な青年たちは、ハッシシ、LSD、麻薬をやる人ばかり。
徴兵拒否のスイス青年もやっていた。
若干年上だったのかな。
「なぜ旅しているんだ?」
「いや俺は徴兵拒否しているんだ」
スイスにも徴兵があると聞いてびっくりした。
スイスはヨーロッパの大国に挟まれた小さな国。
永世中立国スイス。
現実は徴兵があって厳しい。
理想と現実の厳しさを思い知らされる。
まあ彼は逃げてきていた。
部屋が四十ワットの裸電球一つ。
彼は本を読むときに電球を消して、ローソクを灯す。
中世ヨーロッパの碩学のように。
「目を悪くするよ」
「いや、これが好きなんだ」
ローソクの灯りは精神集中にいいのかな。

ハッシシ・クッキーが買える(カトマンズ)

ネパールは麻薬を国が許可している。
大々的に許可していたのはここだけ。
もう禁止しているかもしれない。
旅をしていた頃のネパールでは麻薬はOK。
ハッシシとかLSD、マリファナを朝からやっているフランス人が多かった。
なぜフランス人が多いのか分からない。
ハッシシ・クッキーがあるという。
抵抗感があって買わなかったが、聞けば誰でも買えたらしい。
身体の外部からとる麻薬は、身体を壊す。
マリファナや阿片など麻薬は、中枢神経を刺激して破壊する。
瞑想状態とか、素晴らしい音楽を聴いたときに出る脳内モルヒネは、人間に全然害がないらしい。
ほんとうに綺麗な朝陽や夕陽を見たり、瞑想やお経を唱えたり、良い音楽を
聴いたりすると、人間を幸せにするエンドルフィンという物質がでてくるようだ。
反対のアドレナリンは毒ホルモン。
失恋や裏切り、心の痛みなどは身体に悪いようだ。
いつも脳内モルヒネに溢れた幸せな生活をしたいものだ。

ネパール餃子が美味しい

中東からインドを旅していると、だんだん食欲が無くなる。
ネパールはモンゴル系のチベタンが多い。
中国政府は基本的に社会主義でチベットの仏教を否定している。
チベットからダライラマがインドに亡命している。
迫害から逃れる為多くのチベット人がインド、ネパールへ来ていた。
チベット・インドの混血が多くいる。
ネパールにはかなりのチベット人が入っている。
餃子や中華料理も多い。
餃子は味がよく分かる。
ほんとうに美味しかった。
ホッとした。
ネパールで久しぶりに食べた餃子(モモ)は実に美味しかった。
また、ぜひ食べたい。

俺ってチベタン? パトナ空港

パトナに戻るのをどうするか思案していた。
崖崩れでバスには往生したし道が非常に悪い。
それに僕はバスに弱いのであまりバスは好きでない。
シルクロードのようにある程度の舗装ならまだしも。
飛行機がある。
でも飛行機に乗るのは、ちょっと贅沢。
ヒッピー旅行にふさわしくないと躊躇した。
ところが料金を聞いてビックリ。
ほとんどバス代に毛が生えた程度。
空席があったので安くしたようだ。
交渉はしてみるもんだ。
飛行機の機種はYSー11。メイド・イン・ジャパンの中古。
席はボロボロ、壁は薄汚れている。
「本当に飛ぶのかなぁ」
「大丈夫かなぁ」
ちょっと心配になったがここまで来たら引き返せない。
運を天に任せて、レッツ・ゴー。
空路、カトマンズからビハール州のパトナへ。
機内には期待したネパールのかわいいスチュワーデスがいない。
プラスチックの汚いコップにコーヒーのサービスのみ。
それも四十歳ぐらいのオジサンがもってきてくれた。
操縦席のドアが閉まらない。
バタンバタンしていてパイロットの後ろ姿が良く見える。
時々乱気流にもまれガタガタ揺れた。
「だいじょうぶかなぁ」
再び不安になってきた。
しかし腐っても日本製。
昔取った世界の名機、ゼロ戦の血を引く。
ビハールの州都、パトナに無事到着。
ところが税関で荷物を全部調べあげられた。
アメリカ人やフランス人、白人はノーチェック。
すいすい通る。
僕は徹底的に調べられる。
「なぜだろう?」
パスポートを見て、初めて日本人だと分かったようだ。
クレームをつけた。
「なぜ俺だけこんなにチェックしたんだ」
「おお、おまえはチベタンじゃないのか?」
髭ぼうぼう、髪ぼさぼさ、汚いリュックと寝袋にシタール。
どう見ても日本人には見えなかったようだ。
すったもんだ。
日本人と分かって、チェックするのを止めた。
チベット人は厳しくチェックされるのか。
ばっきゃろう。

中島 直樹

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