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刻夜蝶

毒色のドレスを脱ぎ捨てて
悪役からヒロインになるわ
そう言って君はヌワールの
リボンほどいて走り出した
執黒の蝶よ光を穿って進め
契れた蕀の羽をルージュの
ベールで覆い隠して今夜も…

夜刻世廻でしなやかに
散って舞う運命の針で
紡ぐ哀終の靴を履いて
朽ち果てるまで輝くの

触覚に何度も絡み合う傷み
あの時の感覚が醒めたって
路由の砦を抉じ開けて進む
塵々の羽をすくい集めては
垂れ下がった蜘蛛糸ツギハグ

夜刻世廻でかろやかに
散って舞う地獄の書を
記す終焉の靴を履いて
尽き果てるまで踊るの

もう二度と戻れない狭間に堕ちたって
ムスクグラスの微かな残り香を花に酔わすの
格調の気高さが消えると知っていても
それだけはどうしても決して譲れないものよ

夜刻世廻の出演者は
誰独りとしていない
亡び逝く悪夢の舞台
裂き乱れた黒い鱗片

酷夜蝶私とワタシをどうか導いて…

読み方

執黒(しっこく)

穿(うが)って

契(ちぎ)れた

蕀(いばら)

醒(めざ)めたって

路由(じゆう)

塵々(ちりぢり)

終焉(しゅうえん)

出演者(えんじゃ)

亡(ほろ)び逝(ゆ)く

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