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月と酒

あなたのコップが 捨てられず
少し欠けている ふちっこが

これもいいねと 手になじむ
右手で持って 真似をする

巡る季節、去る季節  思い出しては忘られず

ふたりで呑みたい 月夜酒
月と語って 呑む酒よ

焼酎割りの 分量が
わたしの気分で 変わること

知ってるくせに 云わないけど
右手のコップ かざして揺らす

幸せだったあまるほど 思い出しては捨て切れず

話しはなくとも 黙って呑む
月と語って 呑む酒よ

「おまえも飲むか」 と聞かれれば
分かってるくせに 意地悪ね

肴の好物  並べたわ
ひと目惚れした 夫婦箸

今は日ごと変えては わたし使っています

ふたりで呑みたい 月夜酒
今夜は満月 呑む酒よ

作品紹介

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