一人暮らし用賃貸住宅
真っ昼間 流れるヘビメタ
窓の外には電信柱
ある日 子犬が
シッポをフルフル振りながら
電信柱を登ってきて
人恋しそうに
「クンクン」 言った
入居規定を見せたら それに気を取られて
アッという間に
子犬はくるくる落ちていった
ある日 チョコパフェが
スプーンをチリチリいわせながら
電信柱を登ってきて
おいしそうに
バニラをとろけて見せた
ヘルスメータを見せたら それに気を取られて
アッという間に
チョコパフェはくるくる落ちていった
ある日 素敵な青年が
さらさらな髪をなびかせながら
電信柱を登ってきて
やさしそうに
「やあ」 と言った
軒にほしてあった あたしの下着に気を取られて
アッという間に
青年はくるくる落ちていった
不機嫌のあたし
ダレモ ”あたし”ノ マドカラハイッテキテクレナイ
ダレモ ”あたし”ヲ マドカラツレダシテクレナイ
ダレモ
ダレモ
ダレモ
ある日 ”あたし”が
涙をぽろぽろこぼしながら
電信柱を登ってきて
悲しそうに
「愛してくれる?」 と言った
あたしが困っていると ふっと両手を開いて
アッという間に
”あたし”はくるくる落ちていった
気がついて
あたしは
悲しくなった
せつなくなった
あたしは 泣いた
涙がたくさん
ぽろぽろ
ぽろぽろ
ぽろぽろ
一人暮らし用賃貸住宅
真っ昼間 流れるヘビメタ
窓の外には電信柱
作品紹介
一人暮らしの孤独感、閉塞感、不安感を白昼夢の形で書き上げてみました。
ヘビメタ用の歌詞として作りましたが、当方にその機材が揃っていなかったため、
お蔵入りになっていたものです。
筋肉少女帯のころの大槻ケンヂ氏をイメージしておりました。
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