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FVソング・・・結婚お祝いバージョン・・・/青春の思いでシリーズ・その2

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作品情報

ジャンル フォーク
参加形態 単独
公開

作品紹介

*前回の続き
サークルで同期だったある女子学生は、僕に対してはいつもとげのある言葉を投げかけてきては、僕が腹を立ててムッとする顔を見ておもしろがっているような所があった。僕がどんな人間なのか、本性を確かめようとしていたのかもしれない-とも思う。
僕にとっては、彼女は話をするといつも不愉快な思いをしていたが、いじめとか憎しみとかではなかったので、嫌いではなかった。高校生の頃にも仲の良かった女友達の中に、あえばいつも口げんかばかりしていたけど、次の日にはけろっと忘れてまた会って・・・という同級生がいて、よく一緒に遊んだりしていたが、その同級生とイメージが重なって、逆に親しみを持っていた。

彼女とは重いハンディのある人のお家に、何度も一緒に家庭訪問に行き、一緒に遊んだり、悩みの相談に乗ったり、当時、国の法律の壁があり、学校に行けない彼らの家庭教師みたいな事をすることもあった。

そんなある日、彼女の授業の宿題で作曲の課題が出たが、彼女は作れないというので、僕が代わりに小曲を作ったことがあった。
彼女の誕生日が近かったので、曲に短い詩をつけた。それが前回紹介した「誕生日に」でした。
彼女の20才の誕生日に、その詩を持って行くと、ある先輩が、大きなケーキを持ってやってきた。
先輩の様子を見て、彼女と先輩がつきあっているのだと「ピン!」と来た。
1~2年して、サークルの中で二人がつきあっていることは公然のものとなったが、それまでは僕の口からは一切二人のことは言わなかった。
無責任な噂話はせず、静かに見守っていこうと決めていた。

彼女が大学三年生の時だったろうか?・・・彼女と同じ大学のトモちゃんから聞いた話がとても気になってしまったことがある。
トモちゃんは授業を受けていて、席は離れていたが彼女の様子は見える席にいた時、彼女が涙を流して泣いていた・・・というのだ。
泣いていた理由を聞いたが、トモちゃんも知らないという。
僕は彼女と先輩がケンカをしたのではないか?と、気になった。でも僕は二人がつきあっていることは知らないことになっている。
サークルの中でもまだ噂になっていなかった。困ったことになっているなら、力になってあげたい気持ちは強くあるのだが、その気持ちをどう伝えようか・・・とても困ってしまった。
気になって仕方ないので、何度も彼女に電話した。でも、話すことがない。何度か彼女のアパートへも顔を出してみた。
「元気にしてる?」、「何かある?」・・・、話をしたところで、僕の口から「先輩とはうまくいっている?」、「先輩と何かあったの?」などとは聞けない。
もごもごしている間に、彼女もじれて、「理由もないのに電話してこないでよ!。」と、ガチャンと電話を切られたりする。
困ったなあ・・・と思いつつ、1ヶ月ほどはそんなことを繰り返してしまった。彼女にとっては、全く迷惑な話だ。
その後、トモちゃんからは「あの後は元気にしているよ」、という話も聞き、サークルで先輩と彼女の間の空気を観察していても、特に違和感はなかったので、とりあえず問題はなかったんだなあ・・・と、勝手に合点してこの問題は終わった。

先輩とつきあっていたのは知っていたが、彼女を映画に誘ったことが2回ある。
2回ともサークルの帰り際に誘った。彼女はしばらく思案した後、「少し考えて後で返事する。」と答えた。
「あ-、一応先輩に相談するんだなあ」と思った。先輩がどんな返事をするのか、ちょっと興味もあった。
1回目に誘った映画は、一緒に見に行った。2回目に誘ったときは、後日断られた。

断られた映画は何という映画だったか忘れた。二人で見に行った映画は2本立てで、見たかった映画は、障害者問題か福祉に関係するテーマの映画だったと思うが、何を見たか忘れた。もう一本の映画はディズニーの実写版の「シンデレラ物語」だった。
子供向けの映画で、シンデレラが王子様と引き離される場面があり、不覚にも涙を流してしまった。

夏休みで、障害者キャンプが終わった後ぐらいだったろうか、彼女に電話をかけたときに、「明日、和歌山の実家に帰る」と答えたので、「よかったら、バイクで駅まで送ってあげようか?」と聞くと、「もう、送ってくれる人が決まっているのでいいです。」と返事があった。
「あ-、先輩が車で駅まで送るんだなあ」と思った。

そんな出来事を通じて、先輩と彼女が順調につきあっていることを確認していたのだが、彼女が4年生になると、僕はだんだんとヤキモキするようになる。その頃には、二人がつきあっているのは公然となっていた。でも、彼女は教職試験に受かり、地元に帰り学校の先生をすると言う。
先輩は京都で、親の代から続いている仕事を引き継いでいる。
「いったいどうするつもりだろう・・・」、人ごとながらとても気になった。

彼女が大学二年の誕生日の日に、先輩が彼女のために買ってきたケーキを、僕は無邪気に喜んで食べていた。先輩はかなり不機嫌な顔をしていた。あの日から、そっと二人の恋愛が順調に進むようにと、陰ながら見守ってきた。二人には気づかれないところで、お節介もしたりしたけど京都と和歌山に離れてしまうと、かなりピンチじゃないか?
大学の教室で涙を流していたとトモちゃんから聞いたことがあったが、そんな姿が映画の一場面のように頭に浮かんだりもした。
僕には口の悪いにくったらしい彼女だが、先輩とうまくいくといいけど・・・。心から心配した。

次の年、彼女は大学を卒業し、和歌山に帰っていった。念願の教師になった。僕が作曲した曲も、少しは彼女の夢を実現する手助けになったかもしれない。・・・??、たいして意味はなかったかもしれないが。まあ、その可能性の方が高いが・・・。

1年経ち、2年経った。表だって何の動きもなかった。
3年経ったあたりだったろうか。
彼女と先輩が結婚を決めた・・・というニュースを耳にした。

あ-・・・、やっと決まったんだ。よかった・・・。心から僕もうれしく思った。

教師を辞し、彼女は先輩と結婚して、再び京都に戻ってきた。

ごくたまに先輩の店に顔を出すことがある。
彼女が店の主のようになっても、僕の顔を見るととげのある言葉を投げかけてくるのは、学生時代と変わらない。

*FV:フレンドリー・ビジタ-の略称。正式名称GS-FV(グレート・オ・セッカイ-フレンドリービジター)
*文献:障害をもつ人達と共に-心のかよう福祉を-大塚達雄_僕が参加する以前のFVについても大塚さんの視点で書かれています。
_障害者が社会に出ることが困難だった時代の、ボランティアがフロンティア活動の時代の記録にもなっています。

写真は琵琶湖高島の砂浜にて、キャンプの一場面

青田 幹

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