TELL ME WHY
- 71回再生
作品情報
| ジャンル | イージーリスニング |
|---|---|
| 参加形態 | 単独 |
| 公開 |
作品紹介
つい最近のこと。
夜中に後頭部をつつかれて目が覚めた。
「ああ、あいつだな。」
僕には、つついた者が誰であるかすぐに察しがついた。
布団に入る前に逃した雨蛙だ。
奴は、僕の部屋に侵入して夜を明かそうとしたらしい。
捕まえようとしたが、家具の裏へと消えた。
そいつが僕を起こしにかかったのだ。
部屋の中には水も食い物も無い。
加えて、暗闇でウロウロしていたら寝返りを打った拍子に押しつぶされる危険もある。しかs
僕もそれを気にしていた。
部屋にいるのは構わんが、押しつぶすのは嫌だし家具の裏で餓死されても困る。
どうしたものかと思案しつつも眠ってしまった。
奴も僕と似たようなことをいろいろ考えたに違いない。
この際だから、多少の危険はあるが人間を起こして出してもらおう。
そうして僕の後頭部をつついたわけだ。
つつかれて起き上がった僕は奴を捜したが見当たらない。
変だなと思いながらトイレで用を足して出たところ、玄関先でとうとう雨蛙氏と対面した。
会うが別れの始めなりと、外へ出て頂いた。一件落着。
なるほど奴は野生の徒だから、当然人間を全面的に信用するほどの甘ちゃんじゃない。
つついて起こしたはいいが、何をされるかわからない。
夜中に起きた大半はトイレへ行くのが人間の習性であるのを奴は知っていた。
そこで、この間抜けな男の背中にしがみ付いておれば自ずと玄関方面へ行けると踏んだのだ。
後は、頃合を見計らってピョンと。
雨蛙に一本取られたとは情けない。
でも、なんだか愉快な心持になった。
コメント(1)
コメントを読むには、ログインが必要です。