逃げだすようにして
月に行った狼は
ひとりたったひとりで
駆け回っていた
邪魔するものは
どこにもない
あるのは荒れ果てた
でこぼこの大地だけ
吠えたって騒いだって
こだまさえも戻らない
いつしか静かに
星を見つめてた
すべてに疲れ果て
月に行った狼は
自由やっと自由に
なれたはずだった
とがめるものは
どこにもない
空には名も知らぬ
星たちが見えるだけ
泣いたって笑ったって
揺らぐ風の音もない
いつしか滲んだ
星を見つめてた
すべてを振り切って
月に行った狼は
自分だけの世界を
手に入れたはずなのに
愛するものも
どこにもない
むなしさ抱きしめて
立ちすくむおのれだけ
起きたって眠ったって
ひとりたったひとりきり
いつしか恋しい
星を見つめてた
作品紹介
朗読はこちらへ
[music]41031[/music]
コメント(6)
コメントを読むには、ログインが必要です。