一、
惚れたら負けと、言い聞かす
そんなあたしが愛しくて
昨日に置いた魂は
生きる術(すべ)を探している
「泣いたらいかん」と
抱いてくれた、あのときの
紅殻紬(べんがらつむぎ)に沁み込んだ
うつり香寄せて、名を呼んだ
哀れか、吹き荒ぶ(ふきすさぶ)心よ
耐えてくれと胸焦がす
グラスのお酒に映った
あんたの姿、飲み干して
二、
ありきたりの浮世話
夜は寂しいひとり寝に
慣れてしまったけれど
それでも夢の手枕(たまくら)恋しさよ
今夜も恋風、身をよじる
涙なんか流すまい
弱い女の意地っぱり
素直になれない悲しさよ
情けを、ほしくはないが
愛という名の命を
グラスの底に沈めて
あんたの姿を 飲み干した
作品紹介
[music]44015[/music]
井高 直子コメント(1)
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