別離 (わかれ)
- 64回再生
作品情報
| ジャンル | イージーリスニング |
|---|---|
| 参加形態 | 単独 |
| 公開 |
作品紹介
今から約30年も前の話ですが、その頃アルバイトをしていた池袋のナイトパブでこの曲を初めて聴きました。
店の専属バンドがレパートリーの一つとしていたのです。
いわゆるハコバンというのですが、当時はそういった生バンドを入れている店が多くて、ビッグバンドを抱えていた大きなキャバレーもありました。
しかし、ほとんどは3~5人の編成でして管楽器が入ることは稀でした。
その店のハコもG・B・Key・DrにVoだったと記憶しています。
彼らバンドマン達の主たる業務はお客さんの歌の伴奏です。
僕の勤めていた店のバンドも、どんな客のどんな歌にも伴奏を付けることができました。
演歌・歌謡曲・外国のポップスで有名な曲はほとんど暗譜しておりました。
客の歌い出しから瞬時にしてそのキーを判断し移調し、酔客が歌詞に詰まれば歌いだすまで同じ小節を繰り返しながら待ち、リズム・テンポが小船のように揺れる場合も巧みにそれに合わせて演奏を引き伸ばし或いは縮めと、その職人技には驚くばかりでした。
短い時間ですが、酔客の伴奏係の合間にバンド演奏のみの時間帯がありました。
その時だけは、彼らが本来の演奏者に戻れるのですが、だからといって場所柄からロックやジャズができるわけも無く、軽いポップスなんかで不完全燃焼するわけです。
「別離(わかれ)」は、そのハコバンのドラマーがタイコを叩きつつ歌っていました。
その渋くて翳りのある歌声は、かつて有名ビッグバンドのドラマーから流れ流れて場末の伴奏者に辿り着いた彼の道のりを感じさせて、何故か妙に切なく僕の心に響いたのでした。
この曲は、長谷川きよしや越路吹雪でも聞きましたが、あのドラマーの歌声が僕の中ではいまだに一番です。
イタリアの曲という事で、ニニ・ロッソも取り上げています。
僕にとっては久々の新録となりましたが、今では懐かしい想い出となった、30年前の池袋の場末の盛り場をイメージしました。
コメント(0)
コメントを読むには、ログインが必要です。