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刺客(インスト)

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作品情報

ジャンル スクリーンシネマ
参加形態 単独
公開

作品紹介

組曲 『氷炎伝説』  XII. 刺客

クラブ十四から戻ったヒコンの部屋の窓を、どこからか飛んで
来た一羽の鳩がつつきます。鳩の足には、「逃げて!」と一言だけ
書かれた紙片がくくり付けてありました。

「誰だろう...」と思った瞬間、銃声一発!
弾丸はヒコンの目の前にいる鳩の体をかすめ、周囲に羽根が飛び
散りました。

ヒコンは腰を抜かしそうになりながら、物陰を伝って必死で逃げ
ます。逃げる間に吹く風は強まり、雷鳴と共に嵐がやってきます。
拳銃男は冷静にヒコンを追い詰め、逃げ場をなくしてうずくまる
ヒコンに歩み寄ります。

髪からしたたる雨水をぬぐいながら、ヒコンは拳銃男の顔を上目
使いで見やりました。「お…おまえは!」拳銃男は、レイラの伴奏
をしていたギタリストの蝉丸でした。

ヒコンは叫びました。「なぜ、俺を狙う?」
「許せ、恨みがあるわけではない」
「では誰がお前をよこしたのだ?…まさか!?大文字さまが!」
「ふふふ、お察しの通りだが、気付くのが少々遅すぎた。そこで
念仏でも唱えているがいい」蝉丸は照準をヒコンの額に合わせ、
引き金に力を込めようとしました。その時…

何たる偶然でしょう!…拳銃を握った蝉丸の体は、落雷に貫かれ
ました。背中が左右に開く蓑を着て、立ったまま黒こげになった
その姿は、さながら油蝉のようでした。緊張の解けたヒコンは、
そのまま地面にへたり込みました。(つづく)

斉藤 七夏

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